【君たちはどう生きるか】ハワイ上映


ハワイにもやっと映画館で上映が始まった 【君たちはどう生きるか】


 戦争を体験した世代の、私の大好きな尊敬する表現者たちのひとりが 宮崎駿監督だ。


 あの時代のエッセンスを経ているからこそ語られる厚みも重みも、人間の愚かさも。
そして希望も。

戦争を経験した祖父、祖母と共にした時間が持てた、昭和生まれの私は本当にラッキーだったな。
彼らから渡ったバトンを、風をきって先頭走者で、ハワイで走る私。
バトンを磨きながら、なるべく軽く、綺麗な、清々しいバトンを息子に手渡したいから。


本当に感慨深い、叡智の詰まった作品だった。
人間の本質的なことって何なんだろうね。ってことを再確認したとき、 日本で大学生していた20代の頃、異文化交流に明けくれていた自分を思い出した。数日泊まり込みで、代々木だかの会場に集って、色々な国から集まった若者たちと様々なテーマについてディスカッションを交わす。
夜は夜で、ロビーに集まって、好きな音楽の話や土地自慢・おいしいものの話をして深夜まで語る。あの頃、英語っていう万国手形みたいなツールを使って、自己表現をする喜びと、分かり合える・分かり合えないそんな感情を共有する時間が寝る間も惜しむほど楽しかった。
どんなに肌の色が違っても、育った国が違っても、国の情勢が違っても 声を発して、
わたしーあなたでその場にいること、笑いがおこること、そんな他愛ない【 間 】の時間を思いだす。


その人が人生で感じたい感情、情緒を、様々なストーリーで宮崎監督は届けてくれる。
【 in between 】にある掴み所のない見えない空気、時間、エネルギー、想い、記憶、そんな世界を、この映画の中、どこかで『知っている。』と安堵する心地よさと、懐かしさを感じた。
自分は何をしにきたのか、何がしたいか。コレです。とクリアに言語化できることが素晴らしいのではなく、それをハートにいつも持ちながら模索し、体現していく。それで十分じゃない?
空っぽになった映画館で、最後のエンドロールまで米津玄師の『地球儀』聴きながら、響くバグパイプの音に耳を傾ける。 涙溢れちゃうんだよなぁ。

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